機材と撮影テクニック(初心者編)

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はじめに~散策型と待ち受け型~

 ”野鳥撮影”は、もともと週末に歩くことを目的に始めました。
 よって撮影スタイルは、基本”散策型”です。
 ただ、本格的に野鳥撮影をする人は、カメラを三脚に据えて撮る”待ち受け型”が多いようです。
 ”散策型”の撮影スタイルの情報は、非常に少ないのが現状です。
 試行錯誤するうちに、私も、だんだん”散策型”の撮影スタイルが確立してきました。
 ここで、”散策型”の撮影スタイルを中心にまとめてみたいと思います。
 何か参考になればと思います。(目次へ→)

散策型とマイクロフォーサーズ

 カメラは、マイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼を使用しています。
 フルサイズ規格のカメラの方が画質は有利ですが、レンズがデカくなり、気軽に散策という訳にはいきません。
 レンズ一体型のネオ一眼もありますが、画質と大きさのバランスでマイクロフォーサーズになりました。これなら、撮影ポイントまでショルダータイプのカメラバックに入れて持ち運び、後は首からかけて散策できます。
 気軽に持ち出せ、撮影頻度が増えます。鳥との出会いで撮る”散策型”の野鳥撮影は、撮影頻度が命です。
 画質の妥協は必要ですが、”散策スタイル”で”野鳥撮影”をするならば、マイクロフォーサーズをお勧めします。(目次へ→)

現在使用のカメラとレンズ

 現在使用しているカメラ及びレンズは、Olympus(現OMDS)の
本体 OM-D E-M5 MarkⅢ(新古品)
レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS(新品)
です。妥協できる画質の範囲内で、とりあえず最軽量を目指しました。
 それゆえ、今となっては、不満点もあります。
 その一つは、カメラのモードダイヤルのカスタムモードの少なさです。 これは、致命的です。 後ほど書きますが、次々と撮影条件の変わる”散策型”の撮影は、モードダイアルのカスタムモードは多いほど便利です。これから購入する人は、モードダイヤルのカスタムモードが多い機種と選びましょう。
 後は、”鳥認識AF”の搭載機種が欲しいですね。
 レンズは、もう少し解像して欲しいと思うものの、不満というほどではありません。
 このレンズが重い方は、M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm f4.8-6.7Ⅱをお勧めします。解像度は落ちますが、”野鳥撮影”がスナップ感覚で始められます。しかも安いです。
 後、カメラは必ずプロキャプチャーモードを搭載したものを選びましょう。プロキャプチャーモードについては、後述しますが”野鳥撮影”にとっては、絶対に欲しい機能です。(目次へ→)

10万円前後のおすすめ機材(初心者用)

 Yahoo知恵袋を見ていると「10万円前後で鳥撮影を始めたい」という方が多くおられます。
 レンズ一体型のネオ一眼ならともかくマイクロフォーサーズで新品は無理があります。
 そこで中古をお勧めします。
本体 OM-D E-M1 MarkⅡ(中古)
レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm f4.8-6.7Ⅱ(中古)
 この組み合わせならば、10万円前後で手に入ります。
 レンズはともかく、本体性能は、私のシステムとほぼ変わりません。
 最新の”鳥認識AF”等はついていませんが、止まっている鳥なら、ここの写真と同レベルで撮れます。
 但し、中古品の購入は、信頼できるカメラ店で!
 初心者は、メルカリ、オークションなどは、避けた方がいいでしょう。
   
 飛んでいる鳥などを撮りたい場合、もう少し焦点距離を伸ばしたいときは、私と同じレンズ、
   レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS
 にグレードアップしてみてください。但し、中古でもレンズ1本10万円を超えます。(目次へ→)

トリミングについて

 鳥をこれから撮影したいという方で、最も多い勘違いが、望遠レンズのカメラを買えば、多くの写真のように画面いっぱいに鳥が写せると思っていることです。
 望遠レンズは、フルサイズ換算で800mm(私の使ってるレンズ)でも、よほど警戒心のない大きな野鳥でない限り、鳥は小さくしか移りません。
 写真はの多くは、撮影後にパソコン等で”トリミング”(いわゆる切り抜き)加工をしています。
 逆を言えば、トリミング前提で撮影し、いかに画質を落とさないかが、鳥撮影の永遠の課題です。よって皆さん、フルサイズ規格のカメラを使ったり、バズーカと呼ばれるデカい望遠レンズを使用しているのです。もちろん数百万円掛かりますが・・・

 でも普通は、初心者でそれ程お金を掛けられませんよね。そこで、画像の規格をjpegでなくRAWで撮影したり、なるだけ、野鳥に近づけるよう努力したり、涙ぐましい努力が必要です。

 トリミングも悪いことばかりではありません。例えば、とりあえず鳥を”日の丸”構図で撮影し、あとから構図を考えたりできます。(最初から構図を決めて撮影するに越こしたことはありませんが。)

 こらから「鳥を撮ろうか」という超ビギナーの皆さん、トリミングは必須と考えてください。(目次へ→)

撮影モード

 鳥は動くので、シャッタースピード(SS)優先モードで撮ると思われるかもしれませんが、多くの方は、絞り(A)優先モードで撮っています。 絞り優先モードで、絞りを開放近くに設定すれば、おのずとシャッタースピードが稼げるからだと思います。2つのモードを切り替えて使っている人もいます。
 ”散策型”で撮影している私は、マニュアル(M)モードで撮っています。
 理由は、散策途中に会える鳥は様々で、枝に止まっている鳥、飛んでくる鳥、また、鳥の飛び出した瞬間など、 鳥のいる場所の明るさや、鳥の動くスピードが異なるためです。”待ち受け型”の撮影のように、あらかじめ設定しておく訳にはいきません。 2つのモードを切り替えて使うと、とっさに混乱してしまいシャッターチャンスを逃してしまうためです。
 マニュアルモードは難しいと思われる方もいらっしゃると思いますが、意外に簡単です。
 止まっていいる鳥の設定は、
  RAW撮影
  ISO=AUTO
  絞り=開放
  SS=1/250
をデフォルトにしています。
 鳥の種類や行動をみて、SSを変化させ決定します。そうするとISOが変化します。そのISOを見ながら絞りを設定します。明るい所で、ISOがLOWになるようであれば、絞りを絞ります。絞りで調整できないほど明るいところは、SSを早くします。逆に、暗い所で、ISOが高い場合は、なるだけISOが低くなり、鳥がぶれないところまでSSを遅くします。
 基本は以上です。
 あとは応用として、鳥が複数いて両方にピントを合わせたい、情景をあまりぼかしたくない等の場合、ISOを見ながら「絞る」のも自由です。
 露出補正まで出来るとBESTですが、とっさのシャッターチャンスに、そんな余裕はありません。RAWで撮影するのはその為で、後でRAW現像の時、露出を補正します。
 鳥のぶれないSSや、許容するISO値は、自分で決めて下さい。
 参考になるサイト http://sims-lab.com/archives/180919-wildbird.html
          http://sims-lab.com/archives/180920-wildbird-photo.html(目次へ→)

モードダイヤル

 "散策型"の野鳥撮影は、様々なシチュエーションに、とっさに対応しなければならないことは書きました。 そこで活躍するのがモードダイヤルに割り当てられるカスタムモードです。
 止まってる鳥用、飛んでいる鳥用、プロキャプチャーモードを使った飛び出し撮影用など、複数のモードをあらかじめ設定し記憶させておきます。
 私の場合は、操作方法が変わると混乱するので、すべてマニュアルモードをベースに、カスタムして登録しています。
 ただ、今使っているカメラ OM-D E-M5 MarkⅢは、カスタムモードが1つしかありません。苦肉の策としてマニュアル(M)モードを、止まっている鳥用にして、カスタム(C1)モードを、飛ぶ鳥及びプロキャプチャーモード用に設定しています。なので、飛ぶ鳥もプロキャプチャーモードで撮影しているという状況です。
 もし、これから”散策型”の野鳥撮影のためにカメラを購入するのであれば、複数のカスタムモードが割り当てられるボタンなり、ダイヤルのついた機種ぶことをお勧めします。背面のメニューからでもモードの変更はできますが、鳥の撮影中にそんな悠長なことはやってられません。
ちなみに、カスタム(C1)モードの設定は、
  RAW撮影
  ISO=AUTO
  絞り=開放
  SS=1/3200
  プロキャプチャーモード
  AF=C-AF
  オールターゲット
にしていますが、改善の余地ありです。(目次へ→)

プロキャプチャーモード

 Olympus(現OMDS)の上位カメラに搭載されているプロキャプチャーモードは、鳥屋の初心者にとって「悪魔の機能」です。 具体的に言うと、「シャッター半押しで撮影を開始し、シャッター全押しの瞬間からさかのぼって記録することが可能な機能」です。
 特に、鳥屋初心者が撮ってみたい「鳥の飛び出し」の写真に威力を発揮します。
 初心者が、鳥の飛び出した瞬間にシャッターを切っても、鳥は既にレンズの外なんてことがあります。 しかし、この「悪魔の機能」を使えば、なんと時間を遡れちゃうんです。
 なんてすごい機能でしょう!!! 熟練者には、「なんて姑息な機能なんだ」と言われそうですが・・・。
 私のような初心者に毛の生えた程度の者でも、下のような写真が、運さえよければ撮れてします。恐ろしい機能です。
 使用方法は、鳥にピントを合わせシャッター半押しで撮影を開始し、後はひたすら飛ぶのを待つ。「飛んだ」と思ったらシャッターを押す。 少し遅れても大丈夫。シャッターを押す数秒前から写っています。ただ、手持ち撮影だと腕がだるくなるのと、電池をすごく消耗します。
 でも、こんなすごい機能、使わない手はありません。(目次へ→)

DxO PureRAW 4

 野鳥を撮ってて、思った様に解像しないお悩みをお持ちの方。レンズに投資するまえにRAW現像ソフトを使ってみるのもいいかも!!
「DxO PureRAW 4」(15,900円)の導入して見ました。
 その結果は、「AIノイズリダクション恐るべし」です。多くの写真で解像感が大幅UP!!
 レンズやカメラにウン十万を投資するより、コストパフォーマンスはすごくいいです。
 私の場合、解像感はそれほど重視しなかったのですが、頃程とは!
 特に飛翔写真では、SSを速く設定するのでISOが高くなり、どうしても画質が伴わず、トリミングに限界を感じていました。それが、綺麗に改善され、今まで、BESTショットに入れるか迷った写真もよみがえりました。
 ただ、「DxO PureRAW 4」で現像すると色味が変わってくるので、全ての写真を「DxO PureRAW 4」でという訳にはいかないです。現像にも時間が掛かりますし・・。
「OM Workspace(無料)」で、現像してみて、解像感・ノイズ除去を重視したい写真のみ「DxO PureRAW 4」でという使い方がBESTの様です。(目次へ→)

↑ Om Workspace AIノイズリダクション無し

↑ Pure RAW4 AIノイズリダクション有り